社員に対して職場の教養を朝礼で朗読させ、感想を言わせる企業について、皆さんはどう感じるでしょうか?
職場の一体感を図るための活動として理解されることもありますが、度を超えると「ブラック企業」の烙印を押される原因にもなります。
朝礼で職場の教養の感想をスピーチさせる企業は必ずしもブラック企業というわけではありませんが、ホワイト企業では決してありません。
結論を言うと、ワンマン経営で社内の風通しが悪い中小企業が朝礼で職場の教養の感想をスピーチさせる傾向が強いです。
この記事では、その理由と影響について解説していきます。
職場の教養とは?
「職場の教養」は多くの企業で採用されている小冊子で、仕事に対する意識を向上させるための知識や考え方がエピソードを交えまとめられています。
内容としては教訓となるエピソードが多く、読み物としては非常によく出来た冊子だと思います。
倫理的価値観を共有しようとする試みの一環として、一部の企業では毎朝の朝礼でこれを朗読し感想をスピーチさせる習慣があります。
感想を考える時間はもちろん時間外労働さ
朝礼で職場の教養の感想をスピーチするメリット
ないです。本当にないです。
しいて言うなら経営者の自己満足です。
社長の道楽、もしくは長年の習慣で嫌嫌やっている社員がほとんどです。
確かに良いことを書いていますが、これを読んで感想をスピーチさせて何かが改善したら誰も苦労しません。
時間を無駄にするので、朝礼は業務連絡だけで良いでしょう。
朝礼で職場の教養の感想をスピーチするデメリット
時間外労働の潜在化
スピーチする職場の教養の感想について、考えている時間には給与は発生しません。
多くの担当者が労働時間外に職場の教養を読み込んでスピーチする内容を考えます。
今だとネットに感想が落ちていて、その内容を発言するという手もありますが、感想を考える事が苦手で真面目な人は30分、一時間と頭を悩ませていると思います。
感想を言うために人前に出るのが非常に苦痛です。
労働時間の減少
朝礼で職場の教養の朗読からスピーチは5分-10分ほどで終わりますが、会社によってはそこから挨拶練習やおじぎの練習が入る所があります。
朝の時間は非常に貴重で、始業開始からトラブル処理や急いで仕事がしたい人が多いです。
ちなみに筆者がいた会社では始業開始15分前に朝礼が始まりました。
この15分は労働時間に含まれず、今考えると労働法に違反していたのではないかと感じています。
顧客より朝礼が優先される
顧客の電話や来客より朝礼の職場の教養の朗読を優先する会社が多いです。
筆者の元いた会社は、顧客が玄関前で並んでいても、電話が鳴っても無視して朝礼をしていました。
「何で電話にでないんだ?」と顧客に怒られた経験があります。
玄関で待っている顧客をみると、申し訳なく感じました
職場の教養を強要する問題点
職場の教養を読むこと自体は悪くないですが、それを強制することには問題があります。
時代遅れや一方的な価値観を押し付ける内容である可能性があります。
個人の価値観の尊重不足
一方的に特定の価値観を押し付けることで、個人の多様性や独自性が無視される恐れがあります。
宗教だと思って、会社を辞める新入社員も少なくありません。
強制された労働環境
中途社員の場合、新しい環境に適応する最中に、価値観の強要が行われると圧迫感を感じる可能性があります。
私が以前いた会社では、朝礼スピーチや挨拶練習、おじぎの角度確認にドン引きして、「合わない」と即見切りをつけた中途社員が何名かいました。
その判断は正しいね
効果の疑問
単に朝礼で読んで感想を言うだけでは、実際に倫理観やビジネスマナーの向上につながるのか疑問が残ります。
職場の教養の中身についても、ビジネスに関係がなく、何が言いたいのかわからないスピーチの人の頭を悩ませる話も少なからずあります。
職場の教養をスピーチさせる会社の特徴
ワンマン経営で社内の風通しが悪い中小企業が多いです。
慣習が続いてきた理由としては以下の2つがあります。
- 意味がないと指摘しても社長が絶対認めない
- 昔ながらの慣習なので誰も止められない
どちらの要因にしても、古い体質の会社で若手の社員はジレンマに苦しむと思います。
筆者も退職時に職場の教養をスピーチさせる事を無駄だと社長に指摘したのですが、不思議な顔で見られたのが印象に残っています。
職場の教養をスピーチさせる会社は辞めた方がいい?
どんな会社にも良い点と悪い点はあります。
すぐに辞めるという判断はせず、まずは様子を見ながら仕事を続けてみましょう。
どうしても、社風が無理な場合は転職をするのも方法の一つです。
職場の教養を読ませる会社の見分け方は?
転職先が職場の教養を読ませる会社で後悔はしたくないですよね。
面接時や採用後の担当の方に直接聞いてみるのが1番てっとり早いですが、
「こちらの職場では職場の教養のスピーチはありますか?」
なんて、中々聞く事は難しいです。というか普通は聞きません。
転職会議等の会社情報のサイトで調べる事で、ある程度は回避は可能です。
職場の教養だけでなく、他の情報もあらかじめ入手していくと、不安も減るでしょう。
朝礼で職場の教養の感想を言わせる会社はやばい?まとめ
朝礼での「職場の教養」の読み上げは、良い意図から始まったかもしれません。
しかし強制的な性質や時代に合わない内容などの問題点があります。
またスピーチ担当の従業員の負担にもなります。
会社は従業員の成長と幸福を真に考えるなら、より効果的で自主的な学習方法を検討すべきでしょう。
この慣行がブラック企業の指標の一つになり得ることは認識しつつ、総合的な判断が必要です。
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